旬の九重生に聞く！
今回のインタビューは、報道部伝統の追い出しインタビュー。新部長が、旧部長に話を聞きます。
部長、ちょっとお茶でもどうですか？
（インタビュアー：宮古隆司）

宮古　　今回は追い出しインタビューということで、前報道部部長の宮下真平（みやしたまひら）先輩にお越しいただきました。部長、今日はよろしくお願いします。
宮下　　もう俺が部長じゃなくて、宮古が部長だろ。良い後輩に恵まれてよかったよ。
宮古　　うわー、先輩、最初から泣かせるようなこと言わないで下さいよ。
宮下　　泣くなんて殊勝なことしないだろ。さあ俺たちの天下だ！って意気込んでんじゃないのか。
宮古　　いやー、先輩たちが引退した後は淋しいし心細いしで、みんなで泣きましたよ。
宮下　　一番泣きそうもない奴が言ってるよ。
宮古　　一番泣きそうでしょ？　もうほんと心細くて。月報締め切り前とか、ちゃんと出るのか心配で心配で。
宮下　　よく言うよ。副の春日のほうがよっぽど心配してるだろうよ。
宮古　　あ、それはまあ。強力なサポートがいてくれるんで、そこは心強いです。先輩たちも良いコンビ……というより、良いチームでしたね。
宮下　　ああ、本当に。三年間、めちゃくちゃ楽しかったよ。
宮古　　俺も先輩たちと過ごした二年間、楽しかったです。ではその三年間で印象に残っている出来事・事件をお聞きしたいと思います。ベスト３を挙げていただけますか。
宮下　　色々あったから、三つに絞るのも大変だったんだけど。まずは豆の妊娠、出産かな。
宮古　　おお、豆ちゃん！　事務室で買っている犬ですね。確かにあのときは大騒ぎでした。この子供の父親は誰だ！って。
宮下　　豆はみんなのアイドルだからな。しかもこんな山奥で、どうやって相手を見つけたんだと。
宮古　　事務員さんたちも下山させた覚えはないって言うし、豆が逃げたことなんかなかったし。結局、わからずじまいでしたよね。
宮下　　あれは不思議だった。二番目は、理事長の再婚、かな。
宮古　　俺たちが九重に入る前ですね？　ずいぶん盛大なお祝いをしたとか。
宮下　　理事長はひっそり、先生方だけに報告するつもりだったみたいだけどな。俺たちの大先輩たちが黙っちゃいなかった。
宮古　　卒業生がお祝いをしよう、と提案なされたんですよね？
宮下　　提案っていうか、ほぼ命令。俺たちはこんなことするから、おまえたちも何かやれ、会場準備は任せた、って感じで。
宮古　　はは。九重生らしいですね。
宮下　　おかげで色々な先輩たちと会えて、すごく良かったけどな。後々のパイプにもなったし。
宮古　　今月報でやっている「卒業生に聞く」の企画は、これがきっかけとか？

宮下　　そうそう。本当は「理事長再婚記念パーティー」みたいに、多くの生徒が直接色々話ができる方が良かったんだけど、それはちょっと難しいからな。
宮古　　でも、そういった交流会ができたらいいですね。
宮下　　一応、執行部がそんなようなものを企画していると思うけどな。
宮古　　さて、最後、ベスト１は？
宮下　　……サッカー部優勝、かな。かなり個人的でもあるんだけど。
宮古　　去年、サッカー部員の一人、先輩たちの同級生が事故で亡くなったんですよね？　あまりに急なことで、俺たちにも衝撃でした。
宮下　　前日まで、元気で走り回ってたからな。あいつを国立に連れて行くんだって、みんな必死だった。
宮古　　そして見事優勝。遺影とユニフォームを持っての表彰式は、全校生徒が泣きましたよね。
宮下　　あの頃のサッカー部員は、本当に凄かった。いろいろあって、それを乗り越えて、人間は凄いって実感した。
宮古　　あのときは、サッカー部員だけではなく、先輩たち一学年が本当に一体化してるみたいで、後輩の俺たちもいろいろ学びましたよ。
宮下　　一番凄かったのは、死んでもなお、俺たちにいろいろ教えてくれたあいつかな。明るかったあいつに敬意を示して、湿っぽくならないようにと思ったんだけど……。
宮古　　では最後に明るく、後輩の俺たちに一言お願いします。
宮下　　三年間、本当にいろいろあったけど、九重に来て良かった、と心から言える。それは多分、九重じゃなくても同じだと思うんだよね。自分が何をしたか、どんな人に出会って、どんな時間を過ごしたか。大事なのはそのことだと思う。
それから報道部。恐れるな。保守に走るな。でも、優しさを忘れるな。俺たちは、常に仲間のことを書いていることを忘れるな。これからは一卒業生として、みんなの活躍を期待しています。
宮古　　どうも、ありがとうございました。どんな人に出会って、どんな時間を過ごしたのか。俺は、先輩たちと出会って、過ごした時間を忘れません。そして一年後、胸を張って、また後輩になりにいこうと思います。
宮下部長、本当にありがとうございました。